この「SATOYAMAと共に生きる」は、里山のゆたかな恩恵をさまざまなコンテンツにした、いままでにない「環境EXPO」であり、「総合エンターテイメントイベント」です。

里山はわたしたち日本人にとって、めずらしいものではないかもしれません。
しかし、里山はひとの手のはいった「自然」です。人々は、自然の力を借り、木を植え、水を呼び、落葉を堆肥として土を耕し、作物を作り、循環する“里山”を作り出しました。里山は日本が生み出した世界に類をみない、自然界と人間のいとなみの見事な“融和”なのです。

そして、世界人口が70億人を超えた今、限られた資源のなかで、いかに自然と調和しながら生きていくかが求められています。

今、必要なのは、わたしたちの祖先が“発明”した里山のように、あるものを活かし、リサイクルし、自然と共存しつつ幸せにいきていくための“技術”であり、“知恵”であり、 “しなやかなライフスタイル”ではないでしょうか。

そうした中で、わたしたちは、100年後も私たちの子孫が自然とともに穏やかに暮らせる社会を考える“プラットフォーム”となるべく、「SATOYAMAと共に生きる〜自然、技術、そして100年後の未来〜」というEXPOを開催することにしました。

「環境問題を考える」と言うと、ともすると「今変えなければ人類は滅んでしまう」といったことが、ときに“脅し文句”のように叫ばれることが少なくなかったように思います。しかしそうした“北風”は一部のひとには響いたとしても、ほんとうの意味では浸透していかないように感じています。

幸い、私たちには、この土地で古くから育まれてきた里山があります。
ゆたかな里山は、わたしたちに様々な恩恵をもたらしてくれます。木々のせせらぎ、マイナスイオンといったかたちのみえないものから、山菜、きのこといった山の幸、リスやウサギといったさまざまな動物たちや、季節ごとに音楽を奏でる昆虫たち、また木々はたき火や炭焼きといった貴重なエネルギー源にもなってくれます。

こうした里山のもつゆたかな自然のなかで、あわせて60以上にもおよぶ、木遊び、アスレチック、炭焼きやパン焼き、クラフト、昆虫採集といったイベントやワークショップといったアクティビティを、また物販エリアでは、気に入ったリサイクル商品、オーガニックな商品や、フェアトレードにもとづく商品をお買い物を、愉しんでいただければと思っております。
さらには関連する映画を観たり、第一線で活躍する17名以上の著名人の講演や対談を聞くなかで、ふだんわたしたちが買っているモノはどんな風に作られ、自分たちの出しているゴミはどのように処理されているのだろう、そういった視点を自然に身につけられるような、環境EXPOにできればと思っております。

わたしたちのような決して大きくもない一企業が、このようなEXPOを開催するというのは、まさに前例のない「夢」かもしれません。

しかし、わたしたちは、地域に愛される産廃屋になるという「夢」を実現するために、新たな産廃業のカタチを模索し、手探りで一歩一歩できることを積み重ねてきました。

その結果、廃棄物の減量化、再資源化は95%を達成し、また東京ドーム4個分の広大な里山には、ほたるが舞い、世界中から年間1万人もの人々に訪問していただけるようになりました。

このゆたかなフィールドを、わたしたちの「夢」に共感していただける企業、団体、個人のみなさまに提供させていただき、運営するひとと参加するひとがひとつの“チーム”となり、たのしみながら学びあい、気づいたことを発信していくことで、未来を変える大きな力を生み出していけるのではないか。そう信じて、最初の一歩を踏み出すことにしました。

この“人がつい足を運びたくなる陽だまりのような環境EXPO”を成功させ、今後も定期的に開催し、100年先の自然との共生を考える“プラットフォーム”としていくため、みなさまといっしょに4月23日、24日の2日間にわたって作り上げていきたいと思っております。

なお、本イベントの収益はすべて100年先の未来につながる社会活動に寄付させていただく所存です。ぜひともみなさまの温かいお力添えをいただきますようお願い申し上げます。

2016年 2月 吉日
石坂典子 (石坂産業株式会社 代表取締役)
SATOYAMAと共に生きるEXPO 運営推進委員 一同